無限大ガール (Kindle版) 森 絵都
Prime読み放題で見つけた本。
あちこちの部活の助っ人を専門にする、ハケン部の女の子の恋の話。42ページであっという間に読み終わりました。ちょっとなんか馴れ馴れしい口調が気になったけど、短いわりに楽しめました。でも、これくらいの歳で、自分には何もない、とか、自分は空っぽだ、とか考えるのかなぁ。私が中学や高校のときは、そんな事考える暇、なかったけど。
人質の朗読会 (中公文庫) 小川 洋子
本屋大賞ノミネート作品の中で見つけた本。面白そうだったので読んでみました。小川洋子さんは、私の大好きな「博士の愛した数式」の著者の方です。
日本人のツアー団体が反政府ゲリラに捕らえられた人質となってしまい、結局その事件は解決するも、人質たちはその際に爆発に巻き込まれて全員犠牲になってしまう。後日、この人質たちが、囚われている間に、一人ひとりが自分の物語を自己紹介がてらに朗読する朗読会を行ってたことがわかり、その様子を録音したテープが見つかる… という話。それぞれの人の朗読が、短編として収録されています。
読み終わってみれば、いわゆる短篇集だったわけですが、最初の設定が衝撃的なせいか、どの話もなぜだか妙に胸を打つ感じでした。面白かった。
ただ、それぞれの短編が、最終的になんか絡み合って収束していったりするのかな〜、と思ってたので、結局それぞれの短編は独立したまま終わってしまったのが、ちょっとオチがつかないな〜という感じではありました。
君と夏が、鉄塔の上 (ディスカヴァー文庫) 賽助
Amazon Prime Readingで見つけて、面白そうだったので読んでみました。
帆月という中学生の女の子には、大きな鉄塔に上に座って、いつも同じ方向をずっと眺めている小さな男の子が見える。帆月は、帆月のことがちょっと気になっている、鉄塔好きの煮え切らない伊達くんっていう同級生の男子と一緒に、この男の子の謎に迫っていく…というお話。終わってみればファンタジーな話でした。
鉄塔を中心に話が展開されるのが新鮮だったのと、鉄塔の上の男の子が眺めて待っていた何か、のあたりが、ちょっと意表つく感じで面白かったです。でも、全体的にはなんか平坦な感じがしました。少しずつ読んでたので、ちょっと頭の中で話が分断され気味だったのが原因かもしれません。
きみと暮らせば (徳間文庫) 八木沢里志
のんびり屋の兄と、しっかり者の妹が織りなす、陽の光差すような、猫もまどろむほのぼのあったかストーリー。
というAmazonの紹介文に惹かれて購入。
医療物とか重苦しい本ばかり読んでると、たまにはほんわかしたような本が恋しくなるんですが、それにぴったりな本でした。主人公のユカリちゃんがとてもいい娘でした。
流浪の月 (創元文芸文庫) 凪良 ゆう
面白そうな小説でもないかと、過去の本屋大賞を見てて見つけた本。2020年本屋大賞受賞作。
幼女誘拐事件の加害者はどうしようもなくて、被害者はかわいそう、という世の中一般の理解に押し流される二人の話。どういう展開になっていくのか想像がつかず、最後まで面白く読めました。世の中ひっくり返してくれるのかな、という期待が若干ありましたが、まぁ、最後はそんなところが落とし所かな、という感じではありましたが。
登場人物の思考がなんというか自分とは違う感じで違和感はあったのですが、でもその心理描写はよく描かれていて、面白かったです。
まぁでも、なんだろうなぁ、世間的に明るみに出たらまあこうなるだろうよとは普通に考えたらわかりそうなもんで、もうちょっとやりようがあったんじゃないかなぁとは思いました。あ、でも、それじゃあそもそも違う話になっちゃうか。
かがみの孤城 (ポプラ文庫) 辻村 深月
なんか面白そうな本ないかなーと思ってAmazon探してたら見つかった本。2018年本屋大賞作品。
中学校でちょーっと嫌なことがあって、不登校になってる女の子の話。ある日、部屋の鏡が光って、その中に入っていける、っていうファンタージな展開です。
中学生くらいのときって、自分の家庭と学校だけが自分の世界の全てで、そこで起こる問題っていうのは、後で考えてみるととるに足らない問題だったりもするのだけど、その当時は自分の中でウエイトが大きくて、すごくストレスだったなぁ、なんて、そんな感覚を久しぶりに思い出しました。そのへんの感情の動きが、よく書かれてると思います。
ミステリーな部分は割とヒントが多くて、あぁ、こうなんだろうな、という予想通りの展開になっていくのですが、最後のほうまで得体のしれなかった、狼の面をかぶったガイドの女の子の伏線が回収されていく流れはかなりシビれました。本屋大賞、伊達じゃないな。
泣くな研修医 (幻冬舎文庫) 中山 祐次郎
どうやって見つけたかちょっと覚えてないのだけど、なんだか気になったので読んでみました。
外科の研修医の話。文章は平易ですが、著者の方が本物の外科医ということもあり、話にすごくリアリティがあって、引き込まれるように読んじゃいました。この本のすごいところは、医師がどのように悩み、考えているのかというのが、医師でない私のような人が読んでもよくわかる、というところだと思います。
個人的に医療物の本とかドラマとかドキュメンタリーとか好きなのですが、この本はその中でもかなり上位だと思います。それにしても、医師で、しかもこれだけのものが書けるなんて、すばらしいというか羨ましいというか 🙂
ちなみに、続編が4まで出ているのですが、全部一気に読んじゃいました。
- 逃げるな新人外科医 泣くな研修医2 (幻冬舎文庫)
- 走れ外科医 泣くな研修医3 (幻冬舎文庫)
- やめるな外科医 泣くな研修医 4 (幻冬舎文庫)
最近続きが気になるマンガ
なんとなく、いま、最近続きが気になるマンガを書きとめておこうと思った。後で見たら懐かしく思う、かな?
よふかしのうた
少年少女恋愛もの。吸血鬼の話。とにかく絵が好み。ナズナちゃんがどうにもこうにもかわいい。
葬送のフリーレン
勇者のパーティの後日談というのが新しい。飛ぶように流れる年月も新鮮。先が気になる。
宝石の国
ファンタジー。ものすごく独特の世界観。どうやってこういう物語を思いつくんだろう。作者天才。
ブルーピリオド
芸大受験と芸大の話。真剣になることへの恥ずかしさとか、埋められない才能の差とか、音楽にも通じるものがある。あと、純粋に知らない世界の話がとても興味深い。青臭くて暑苦しくて面白い。
フラジャイル
医療漫画。岸先生の傍若無人ぶりが痛快。
ベルセルク
剣と魔法のファンタジー。絵の熱量がとにかくすごい。最後に救いはあるのか、ないのか。続きが気になる、ずっと気になる。
とんがり帽子のアトリエ
魔法世界のファンタジー。絵がとにかく緻密。
BEASTARS
動物擬人化。最近完結したけど、最近読んだ中では一番よかった。表情がとにかくよい。
羊と鋼の森 (文春文庫) 宮下 奈都
Amazonの書評を見てKindleで購入。2016年本屋大賞受賞。
ピアノ調律師の成長の物語。調律や音楽の話に共感できるのは、楽器の種類こそ違えどやはり音楽を多少なりともやっていたからかなと、読んでて思いました。宮下さんの本は初めて読みましたが、話のつながりがスムーズに思いました。するする読めました。
ただ、ピアノの調律というテーマに関しては、ピアノのムシという漫画が個人的には一番かなと思ってます。
コンビニ人間 (文春文庫) Kindle版 村田 沙耶香
なんか面白い本ないかなぁと思ってAmazon見てて目についた本。第155回芥川賞受賞作。
コンビニでしか働くことができない、コンビニのバイト歴18年目の古倉さんのお話。結婚しろだの就職しろだの、なんというか、実に日本的な話でした。アメリカ人にはきっと理解されないんじゃないかな。おもしろかったですよ。
読了後、ふと「俺がガンダムだ」っていうガンダム00のあのセリフが頭をよぎりました。そんな本です。