diary

ハーモニー (伊藤 計劃 ハヤカワ文庫JA)

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だいぶ前にKindle Storeで買った本。寝る前に少しずつ読んでやっと読み終えました。2009年SF大賞受賞作品。

一世紀くらい未来が舞台の話。世界は一度国境が崩壊して生府と呼ばれる機関が世界を統治し、人々はナノマシン的なものを体に埋め込んで絶えずモニタすることで病気とは一切無縁になった一見理想郷のような世界を、これはなんか違うんじゃないかと異を唱え抗う女の子たちの話。ノリ的には前に読んだ虐殺器官に近いけど、こっちのほうが面白いです。特に科学的な面がかなり緻密に練りこまれた舞台設定は、理系の人なら特に面白く読めると思います。逆に、そういうの好きじゃない人にはちょっとうっとおしかも。最後まで面白く読めました。

本筋とは関係ありませんが、この本にはあちこちに他の作品の名セリフ名タイトルが織り込まれています。一度ならず二度三度とニヤリとさせられたので、少しだけ書き留めておきます。

まるで、宇宙人や超能力者でも持ってこなければ話しにならん、と求婚者に理不尽を告げるかぐや姫のよう。

蒼き衣をまといて黄金の野から現れる

ミァハはポケットから握りしめた手を出すと、わたしたちの前でそっと指を開き、わたしたちにとってたったひとつの冴えたやりかたを提示してみせる

Written by Kei

February 2nd, 2014 at 3:40 am

Posted in Book

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