タンノイのエジンバラ (長嶋 有 文春文庫)
猛スピードで母はという本が面白かったので、この方の他の著作も読んでみようということで手に取りました。
「タンノイのエジンバラ」「夜のあぐら」「バルセロナの印象」「三十歳」の四篇が収録されています。どの話もどちらかというとダメな方の部類に入るひとたちが主人公なのですが、そのダメさ加減になんとも共感を覚えて、おもわず引き込まれるように読んじゃいました。やわらかでしなやかで、それでいてしっかりと心に残る読後感。これもとても面白い本でした。この著者が男性なのが、いまだに信じられません。