diary

蒼穹の昴 (浅田次郎 講談社文庫)

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日本への旅行中に、浅田次郎の大ヒット作品「蒼穹の昴」を読みました。単行本全4冊。中国清王朝の末期を描いた壮大な作品です。

強烈な個性を持った登場人物の数々。それぞれの人物の織り成すドラマ、そして、クライマックスへ向かって突き進む勢い、さすがの浅田節、という感じです。物語は壮大で、かなりシビれるし、泣けます。飛行機でアメリカと日本を往復する、なんてときには最高のエンターテイメントになると思います。事実、今回の日本行き、ワタシは飛行機で映画一本も見ませんでした。

特に面白いなぁと思ったのは、西太后がすごくいい人物に描かれていること。めぐちんも、こんなふうに描かれた西太后は初めて読んだ、といってました。普通、西太后って悪の権化みたいに描かれますよね。面白い解釈だと思います。それから、このころの中国の文化や時代背景が事細かに描かれていて、それが物語をとてもリアルで重厚に仕上げています。単に資料として読んでも、ためになるんじゃないかな? 「破天荒」や「圧巻」の由来を、ワタシはこの本で初めて知りました。

分厚い文庫が4冊とボリュームがあり、それぞれの人物ごとにエピソードがたんまりとあるので、そのあたりでなんとなくバラバラ感を感じたのがちょっと残念でした。ひょっとしたら、タダ単に、ワタシが読むのに時間をかけすぎたからだけかもしれませんが 🙂

続編 「中原の虹」の単行本化が待ち遠しいです。

Written by Kei

November 21st, 2007 at 8:53 pm

Posted in Book

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