空の中 (有川浩 角川文庫)
めぐちんにそっと枕元に置かれた本。
立て続けに起きた飛行機事故の原因は、なんと高度2万メートルに存在する巨大な一つの生き物のせいだった… というツカミで始まるSF作品。この不思議な生物との対話がとても面白いです。特に面白かったのは、この生物から見た人間という主の描写。
人間・人類等と自称するその生物たちは、世界を定義付けて明確にし、また更に明確に行くことを目指しているらしく、世界を明らかにした理論を「知」として蓄えることを種族的な喜びとしているようだった。(中略)
彼らは世界を明らかにすることで世界に挑んでいるようにも見えた。
SF小説で人の側から見知らぬ生きものを説明するパターンは数あれど、逆の視点てのはあまり無い気がする。なるほどねー面白いなー、と思いました。文章も平易でするする読めるし、なかなか面白いエンターテイメント作品だと思います。