電話口などでつづりを正確に伝えたいとき、日本語では「朝日のあ、いろはのい」など、実際の単語を例に出して、つづりの間違いを減らす方法(和文通話)がありますが、実は、英語でも同様の方法を使います。英語に慣れていなくて、自分の名前などを正確に伝えるのが不安なとき、これを知っていると重宝します。
英語ではこのことを、フォネティク・アルファベット (phonetic alphabet) といいます。おそらく起源は、軍隊の無線通信で使われていたものなんじゃないかと思います。使われる単語のリストは実は厳密に決まっていて、有名ものでは、軍隊で使われているものと、警察で使われているものの2種類があります。日本でアマチュア無線の免許を取るときは、コールサインを伝えるために軍隊式のものを覚える必要があるので、知っている人も案外多いのではないかと思います。
実生活では、別に決まったものを使わなくてはいけない、なんてルールはまったくありません。用は相手にちゃんと伝わればいいわけで、伝わればどんな単語を使ってもオーケーです。単語も全部覚える必要は無くて、間違いやすいのだけを覚えていれば事足ります。例えば、「a(エー)」などは、誰が聞いても間違えません。私の経験的に、間違われやすい文字は以下の組み合わせです。
- T と D
- P と T
- B と V
- G と Z
これに対して、私がよく使う単語は以下の通りです。
- Tom
- David
- Peter
- Bob
- Victor
- George
- Zebra
別につづりが正確に伝わらなくても、Sado さんあての郵便も佐藤さんに大抵ちゃんと届くのですが、例えば、飛行機のチケットに載る自分の名前がパスポートと違ったりすると、飛行場で結構面倒な目にあうので、そういうときは、この方法を使って、自分からきっちりと伝えます。特に、英単語と違い、日本人の名前は相手にまったく予備知識がないことが多いので、間違って伝わる可能性が大です。なので、自分の名前の分くらいは、覚えておいて損は無いと思います。
実際の使い方ですが、例えば、あなたが佐藤さんで、名前を聞かれたときは、こんな感じに答えます。
- 「S, A, T is for Tom, O」 もしくは、
- 「S, A, T as Tom, O」
こう答えれば、「Sapo」でも「Sado」でもなく、「Sato」とちゃんと飛行機のチケットに印刷されます。
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