風姿花伝 (ふうしかでん) は能の世阿弥が、弟子に向けて書いたと言われる秘伝の書です。「秘すれば花」や「初心わすれるべからず」などは、実はこの本からきてます。わかりやすい現代語訳のついた風姿花伝を読みたいと思っていて、探してたらAmazonで本書を見つけました。年末の休みに読みました。
なんというか、言われてみれば当たり前、という内容が多かったのですが、それが600年以上前に書かれていたというのが驚きです。能に特化した内容が多かったのですが、それでも、一般的な心構えのようなものは、現代でも十分通じると思いました。以下、特に気になった部分を覚え書きも兼ねて引用しておきます。
視野が狭く、頑固な成果、技術的に無理なのかわからないけど、自分の得意な芸ばかりやって、他のスタイルを学ぼうとしないのは間違い。
下手な役者の長所を参考にすればいいのに、プライドが邪魔をしてそれができない。逆に、上手の欠点を見て反省材料にすれば、上達も早いはず。
すべての芸を完璧にマスターできなくても、例えば、7,8割はマスターした役者が、その中で一番得意な芸を徹底的に工夫して、一つのメソッドとして確立できれば、全国区でも高い評価が得られるはず。
能は全ての客に愛されるための芸だから、時と場合に応じでわかりやすい芸をすることも必要だし、それをやれるのが本物の名人。
能の道を極めたあとに振り返ってみると「花」といっても特別ななにかがあるわけではないことがわかる。演技や演出をできる限り工夫し、観客を感動させるための論理を積み重ねていけば、自然と咲くものだよ。
ちなみに、「初心わすれるべからず」は、一般的には「初めた頃の初々しい気持ち」と言う意味で使われがちですが、実は本来は、「初めた頃の拙さ」を指している、というのを初めて知りました。