diary

Itzhak Perlman

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現役世界最高峰といっても過言ではない名ヴァイオリニスト、Itzhak Perlman のコンサートに行ってきました。場所は、Redwood City にある、Fox Theatre。Redwood City のダウンタウンの真ん中にありました。ぱっと見た感じ、古い映画館のような外見ですが、中はステキなコンサートホールに改築されています。こんな近くにこんなところがあったんですねぇ。

Itzhak Perlman といえば、押しも押されぬ大御所。Paganini の奇想曲の演奏の完成度の高さが特に有名です。メタルファンの間でも、あの Yngwie Malmsteen がうらやむプレイヤーとして有名。カクいうワタシもそんないきさつで、高校生のころ彼の名前を知ったのですが、技術至上主義を追求していたそのころのワタシにとって、彼のPaganini の演奏は衝撃的でした。

実は、チケットは「Itzhak Perlman」っとしか書いてなかったので、この日は、ソロか、カルテットか、はたまたフルオーケストラなのかさっぱりわからなかったのですが、この日の演奏は、ピアノとのデュエットでした。演奏曲目も、ヴァイオリンとピアノのソナタが中心でした。

さてさて、演奏ですが、いやぁ~、上手い、の一言です。ダブルストップ、トリプルストップ、さらにその上にビブラートのせたり、オクターブ奏法(っていうのかどうか知らないが)でかなり長いフレーズ弾ききったり、マシンガンのように速いフレーズを機械のように弾き切ったり、と、技術的に巧いのはもちろんのこと、豊かな音色と表現、特にビブラートがすごくキレイで華のあるプレイでした。なにげに、隣で弾いているピアノのヒトも、それだけで金取れるくらいうまかったのがまたよくて、たまにひょっこり出てくるこれまた恐ろしく速いフレーズのユニゾンとかが息がぴったりで、それはそれは鳥肌モノでした。

プログラムにのっている Bach と Beethoven、そして Poulenc という最近のフランスの作曲家の曲を一つずつやったあと、ランダムに1楽章程度の小さな曲を5,6曲演奏しました。前半は Traditional な感じ、後半はどっちかというと前衛的な感じだったかな。プログラム曲が終わるまでは一言もしゃべらず、クラシックぽい窮屈な空気が漂っていて、あ~、しゃべりはあまり得意じゃないのかな~、と思っていたのですが、一通りプログラムが終って、小さな曲を一つ一つ観客に自ら説明してから演奏する形になって、意外にもしゃべりもいけてるヒトだってことがわかりました。たとえば、曲を選んでいる時はこんな感じ、『このピースのスコアはすごくすごく古くて、65セントって書いてあるんだけど、これによるとこの曲は「この曲に必要とされるヴァイオリンの技術はかなり高い」と書いてあるので、もちろん、こんなんには手を出しません』ここで(おいおい、あんたが弾けなくて誰が弾くんだよ!)って雰囲気で会場どっと笑い声。結構おちゃめでかわいい。

小さな曲 5,6曲、っていうのが、どれも程よい長さで、しかも、ワルツあり、情緒的なのあり、前衛的なのあり、と、かなり楽しめました。そして極めつけはラストの曲、曲を弾く直前に、ぼそっと『Perpetual xxxx』いったあと、猛烈な早弾きの曲を弾いて、観客全員をまさに blow off (吹っ飛ばして)して帰りました。

いや~、いい耳の保養になりましたよ。かなりよいリフレッシュになりました。そうそう、最後の曲を家に帰って Internet で調べたら、「Perpetual Motion」という Paganini の曲でした。ここの Paganini のところに MIDI があった
ので、興味があるヒトは聴いてみてください。

Itzhak Perlman : Violin
Rohan De Silva : Piano
at Fox Theatre Jan 14, 2003

Johann Sebastian Bach: Sonata No.6 in G Major for Violin and Keyboard BWV 1019
Ludwig van Beethoven: Sonata No.7 in C Minor for Violin and Piano Op.30 No2
Francis Poulenc: Sonata for Violin and Piano
Paganini: Perpetual Motion

Written by Kei

January 14th, 2003 at 12:00 am

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