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JRパスの旅(2) – 俵屋

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京都で老舗旅館というと、「俵屋」「炭屋」「柊屋」の三つが代表的なものだそうです。中でも「俵屋」さんは顧客名簿に各界著名人がずらりと並ぶ、一番と呼び声の高い旅館とのこと。聞けば、300年の歴史があり、京都でも一番古い旅館だそうです。ご年配の方に「俵屋」と伺うと、ほぼ100% 知ってます。少なくとも、ワタシのまわりにいるワタシの親の世代の人はみーんな知ってました。今回は、そ~んな旅館に泊まってみました。

俵屋さんは、京都の繁華街のど真ん中にあります。しかしながら、中に入ってしまうと、落ち着いていて、とても、街の真ん中にあるとは思えません。部屋もとても静かで、のんびりとくつろぐことができます。泊まったお部屋は、二階の「常盤」でした。部屋の窓は上半分が障子になっていて、キレイに手入れされた中庭のところだけが目に飛び込んでくるようなつくりになってます。考えられてますねぇ。

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中庭には楓の木がいくつかあったのですが、これが色づくのは12月頭だそうです。京都の紅葉よりも、じゃっかん遅いとのコト。ここの紅葉を楽しみたい方は、覚えておくといいかもしれません。

さて、俵屋さんといえば、楽しみなのはご飯。ネットで下調べしたところ、誰もがその食事のクオリティを絶賛してたので、いやがおうにも期待が高まります。

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先付けは、左から、子持ち鮎の土佐煮、胡麻豆腐、むかごの白和え。どれも丁寧な味付けでした。

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お造りは、明石の鯛。こりこりとしていて、それでいて全然筋っぽくない、極上の歯ごたえ。今回日本で食べた刺身の中で、これが一番うまかったです。

このあと、あんまりおいしくて写真撮るの忘れたのですが、マツタケがこれでもかって入った、マツタケとハモと海老の土瓶蒸しがありました。

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にしんの巻織(けんちん)巻き。にしんのなかに詰め物がしてあって、焼いてあるんですよね。詰め物とにしんの味のバランスがとても繊細で、やさしいお味でした。添えてあった銀杏と、粟麩の田楽もおいしかった。

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アジの松前寿司。最高。

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海老信条と蕪の煮物。蕪が、なんでこの形を保っていられるのか? というほど柔らかくて、味が染みてほくほくでした。

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鴨はりはり。かかっているのはお芋のなんかだったかな。鴨の歯ごたえと京菜(あえてここは水菜と呼ばずに京菜)のシャキシャキ感が、いいマッチングでした。

このあと、赤だしとご飯と香の物。そして、デザート。

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デザートは、イチジクを甘く漬けたもの。日本のイチジクって、味が淡白だから、こういう風に風味と他の甘さをあわせることができるんですね。冷たくてシャキシャキっとして、そして甘さでほんわりする、とてもバランスのとれた、いいデザートでした。

食事が終わると、眠くてすぐに寝ちゃいました。寝具がとても寝心地がよかったです。なんでも、特注らしいとのこと。翌日、俵屋さんの直営のお店で初めて知りました。

朝ごはんは、朝から湯豆腐。

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おいしゅうございました。

チェックアウトして旅館を出て、しばらく歩いてふと後ろを振り返ると、旅館の方々がまだ立っていてくれて、おじぎをしてくれました。旅館の方、結局、ず~っと、角を曲がるまで立っていてくれました。恐縮です。

食事もホスピタリティも、この上なく素晴らしい旅館でした。むしろ、足りなかったのは、これだけの手厚いサービスを受けきるだけのワタシの器量、のような気がしました。もすこし歳をとったら、もう一度来てみたいと思います。

俵屋さんを後にして、この日は、奈良に向かいました。(つづく)

Written by Kei

November 11th, 2007 at 1:33 am

Posted in Diary,Gourmet

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